2012年01月31日
これは 酷評になるかな 「ヒミズ」

園子温は、
彼のインディーズなデビュー当時から、
ひそかに注目していた。
初期の「自転車吐息」とかは、
まるで寺山修司の再来かと思わせるものがあって、
その青臭さが、魅力だった。
そして、突然、「愛のむきだし」。
うーん、かすかに青臭さは残っているけれと、
ある種のファナティックな強引さと荒っぽさが、
目につくようになった。
ついで、「冷たい熱帯魚」。
そして東電OLD事件を下敷きにした、
「恋の罪」などは、
生活多忙のためパス。
そこで、ようやく「ヒミズ」を見た。
うーん。
なんと言うべきなのか。
相変わらず力まかせで、
ドラマを進めていく。
映画技法的には、
まったく「うまい」とは、言えなくて、
かなり荒っぽいのだが、
それは、彼の技術が、彼の思いについていけない
ことから来ているような気がした。
しかし、園子温映画の素晴らしさは、
そこにある。
その意味で、彼の作品は、
ハリウッド映画の対極に位置するものとなる。
東日本大震災が起きたたため、
撮影開始直前に、
急遽、シナリオを改変したとのことで、
それが、よけいに雑然とした展開の
原因になっているのかもしれないが、
「絶望だけに覆われたかのような、
終わりなき日常」を、どう生きるかと、
もがく少年の蛇行する青春が、
結果的には、鮮烈に描き出されている。
もし、この作品が、
映画学校などで、あわゆる技法を身につけた人が監督したら、
おそらく、整ってはいるもののかなり陳腐で、
ありふれたドラマに堕してしまったはずだ。
技法というものは、
思いを伝える手段にすぎない。
だから、あふれる思いがなければ、
映画は、ただ技法を見せる作品になりかねない。
園子温は、捨て身になって、
そのことを証明しようとしている。
★ただし・・・。
絶望だけに塗り込められたような悲惨な青春は、
かなり昔のものだけれど、
連続射殺者・永山則夫をモデルにした、
新藤兼人の「裸の19歳」があって、
これが、少年を取り巻く社会環境・生育環境を含めて、
じっくり腰を据えて深く描いているため、
それと比較すると「ヒミズ」は、
浅薄な印象になってしまった。
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13:52
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2012年01月30日
ああ 無常の世 ・・・・ わが平家物語

祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり、
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
驕れる者久しからず、
ただ春の夜の夢の如し。
猛き人もつひに滅びぬ、
ひとへに風の前の塵に同じ。
これは、
ご存じ「平家物語」の書き出し部分である。
主役を演じる松山ケンイチが、
この原作を読んで、なにを感じたは、
わからない。
たぶん、読んではいると思うけれどね。
しかし、
平家物語を読もうと、読むまいと、
諸行は無常であり、
世界も人そのものも、無常である。
学生生活も無情だし、
就活も無情だし、
いざ会社員になれば、
そこにも深く無情な世界が広がっていく。
だからこそ、
祇園精舎の鐘が無常になるのだ。
鐘だけが、勝手に無常になっいるわけではなく、
この世に無常が満ちているからこそ、
鐘の音が無常に聴こえるのだ。
沙羅双樹の花の色は、
何色なのか、ぼくは知らない。
しかし、あらゆる花のいのちは短い。
だから、
すぐに萎れる花も、
いつまでも咲いているかのように見える花も、
さほど長くない時期に、散っていく。
盛者とは、花を咲かせた人のことだろうが、
すべての盛者は、必衰なのである。
そして、ここで忘れてはならないことは、
散る花は、乱れた醜さを露呈することだろう。
紫陽花であれ、ツツジであれ、
見事といいたいくらい、醜悪な姿になる。
唯一例外といえるのは、桜だ。
驕れる者久しからず、
ただ春の夜の夢の如し。
グローバリズムは、
真夏の悪夢かもしれしない。
いまほど、
平家物語にふさわしい時期は、なさそうだ。
松山ケンイチくーん!
頑張ってね。
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17:13
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2012年01月29日
ルサンチマン 気の弱い弱者の最後の癒し

ルサンチマン・・・・・
日本語にすると「怨恨」
平たく言えば・・・・・・
コンチクショーーーかなあ
弱者のための 癒しのひとつ
日本語にすると「怨恨」
平たく言えば・・・・・・
コンチクショーーーかなあ
弱者のための 癒しのひとつ

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20:15
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2012年01月29日
この世は劇場社会 笑える話 笑えない話

閉塞感が深い日常が続くと、
こういう悲喜劇を演じるのが、
ホモ・サピエンスの動物的な習性なのだろうか。
それらは、
ときに悲しく、
ときとして笑いを誘う。
★エピソード1
どこかの女が、ケータイを盗まれてしまい、
ヤフオクで同じタイプのケータイを落札したら、
それが、盗まれた自分のケータイだった。
★エピソード2
どこかの男が、真夜中に、
さる住宅に侵入し、
2Fで寝ていた男性の手足を縛り、
刃物で脅かして金を略奪しようとしたのたが、
その家には、約3000円しか現金がなく、
「こんな端金のために罪を犯すのか」
などと諭されて、逃げた。
そして、その日の午前、
襲った家を尋ねてお詫びをし、
午後には、出頭したそうだ。
★エピソード3
さる男と「同居する兄」が、病死した。
すると弟であるその男は、
自分の死亡届を提出し、
兄の名義で生活保護の申請をして、
受理されていた。
葬儀社の社員も、遺体を確認した医師も、
兄になりすました弟を見抜けなかったらしい。
★エピソード4
48歳のトラック運転手は、
20代の女性と交際していた。
彼女には、5歳の子どもがいた。
その男の子は、右目を患っていて、
毎日、目薬をさしていた。
男は、その目薬にこっそり劇薬を注入し、
男の子の目は、
ものを判別できないほど視力が悪化したという。
★エピソード5
どこかの日赤で、
献血車の手配などの仕事をしていた30歳の男が、
覚醒剤服用の疑いで、逮捕された。
そのため母親は、
息子に代わって、退職届けを出した。
どれとは言いませんが、
この5件のうちの2件は、
静岡県で起きたものです。
しかし、もちろん、ぼくは、
加害者でも被害者でもありません。
Posted by kimpitt at
17:30
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2012年01月28日
あの最中に 相手を殴る男って ほんとうにいるのだろうか

1月26日に発売された「共喰い」・・・
その日のうちに読んでしまった。
厳密に言うと、
読み終えたときは、24時をまわってはいたけれど。
非常にオーソドックス(古典的)な文章力ももっていて、
やや古風な印象もあり、
田中慎弥の力量は認めるが、
なんの予備知識もないまま読めば、
芥川賞受賞作品とは、思わないかもしれない。
それは、前回の受賞者である西村賢太についても、
言えることではあるが。
物語のつくりは、
17歳の高校生・遠馬の視点から語られていて、
それが、どう見ても17歳の男の子にしては、
とても利発で。大人丸出しなところが不自然。
そそのために逆に、嘘っぽく鳴って、
説得力が弱いのが残念だ。
ようするに、39歳の作者の目線で語られ、
17歳らしさは、ない。
性的バイオレンスが素材となっているため、
高校生・遠馬、
その恋人、
遠馬の父親と母親などの関係かどうなっていくのか、
読者をひっぱっていく力はあり、
最後の殺人のくだりは、
著者も興奮しながら書いたのではないかと思うくらい、
力が入っている。
そのせいで、この作品は、
とても三流の娯楽小説に接近してしまう。
ここを、書き出しの部分と同じように、
抑え気味でクール・簡潔に描けば、
純文学的な気品をもちえただろうに、
惜しい。
しかし、文芸評論家の斉藤美奈子も指摘しているように、
登場する女たち、
いずれも性的暴力の被害者たる女たちが、
被害者とはいえ、自立性をもち、
情けない男たちを凌駕するほどの
「生きる力としたたかさ」をもつ人間として描かれているのは、
出色だ。
これは、もしかしたら、
母子家庭で育った著者の母親への
さりげないオマージュになっているのかもしれない。
それにしても、
セック○の最中に、
女を殴って快感をえる男というのは、
ユニークな設定だ。
世間には、
こういう男が少なからずいるのだろうか。
そして男にとって、あらゆる○行為は、
ゴーカ○の要素を内在している・・・
という仮説が真実であるとするなら、
この「共喰い」は、それを肯定してはいないとはいえ、
作品のテーマのワイセ○性は、傑出している。
これは、
ひとつ間違えれば、B級のエロ小説で、
とても映画化しやすい作品である。
狙って書いたんじゃないの?(爆笑)
なお、
本の広告に大きく掲載されていた
39歳の著者の人を食ったような表情の写真。
無口でマジメで、
そこからは、はてしなくスケベであると同時に、
強靱な精神力の持ち主である草食系男子独特の、
なんとも言えないしたたかさが滲み出ていた。
受賞後の第一作が、楽しみだ。
★田中慎弥のプロフ★
4歳で父を亡くす。
人づきあいが苦手。
パソコンやケータイは嫌い。
2Bの鉛筆を使う。
会社勤務・アルバイト経験なし。
常識とか正しいことが嫌い。
中上健次・大江健三郎は、影響されそうで読まない。
Posted by kimpitt at
17:28
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2012年01月27日
死刑と 懲役100年では どちらが残酷か

そのとき、彼は、
18歳1か月だった。
そのとき、もうひとりの彼は、
23歳だった。
そして、18歳の彼は、
23歳の彼の留守宅へ侵入し、
23歳の彼の「妻と生後11か月の子ども」を殺害し、
妻のほうに性的暴力をはたらいた。
これは、知る人ぞ知る、
山口県光市で起きた母子殺害事件である。
これに対して、山口地方裁判所は、
検察側の死刑求刑に対して、
無期懲役という判決を出した。
そのあと、検察側は上告したが、
広島高等裁判所は、起訴を棄却。
そして最高裁は、二審を破棄し、差し戻し。
差し戻し控訴審で、広島高裁は、
死刑判決。
その上告審の最高裁判決が、まもなく出る。
最高裁が、二審を破棄したケースは、
これまでに、この光市の事件を含めて3件あり、
そのうちの2件は、いずれも、
死刑が確定している。
被告は、犯行当時、18歳と1か月、
いまは、30歳。
原告の木村洋さんは、当時、23歳で、
いまは35歳。
彼は、こ12年間、
公判に通い続け、
本も出している。
彼は、当然、
死刑判決を求めているのだろう。
ぼくは、軟弱な死刑廃止論者だが、
この事件に関しては、
木村洋さんの「執念・闘う精神力」に共感してしまう。
国の事業仕訳をパロルなら、
なぜ、死刑なのか。
なぜ、無期懲役では納得しないのか。
もしかしたら、それは、
怨念と復讐心によるものではないのか。
しかし、怨念と復讐心は、
必ず苦い後悔をもたらす・・・
とも言われているのだが。
海外には、
無期懲役ではなく、
「懲役100年」という判決を出す国もある。
「死刑」と「懲役100年」・・・
どちらが、より残酷な復讐になるだろうか。
死刑是非論で、ぼくは、
いつも揺れている。
震度は、5くらいだけれど。
Posted by kimpitt at
17:06
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2012年01月26日
フーゾクへ行こうとしていた人に 受賞の知らせが

また、芥川賞が、発表されました。
前回も、
「フーゾクへ行こうとしていたら、知らせが届いた」
と公言するほど個性的な人、
中卒の西村賢太さんが受賞しましたが、
今回も、またまたユニークな人です。
2人受賞したうちのひとり、
田中慎弥さんは、
4歳のときに父を亡くし、
そのあとずっと、母親と2人暮らし。
アルバイトも含め、一度も職についたことがなく、
受賞時には、
「石原都知事閣下のために、もらってやる」
と、うそぶいたそうです。
そして、名指しされた石原都知事は、
今回かぎりで、
都知事ではなく、芥川賞の選考委員を辞任するとか。
もうひとりの受賞者は、
円城 塔さんという人で、
彼は、東北大・東大大学院で、
物理学を専攻したという、
これまた、風変わりな人で。
前回、西村賢太さんのときも、
受賞者は2人で、
朝吹なんとかいう名前で、
彼女は、慶応大学大学院だったかな、
とにかく葉山に別荘をもっていたお金持ち?の、
お嬢さん。
こうして比較すると、
このごろの芥川賞は、
お金持ちと貧乏人、または格差と貧困に自覚的で、
その話題性で、うすれゆく存在感を、
取り戻そうとしているかのように見えます。
なお、
田中慎弥さんの「共喰い」は、
1月26日に、発売されました。
受賞作「共喰い」と、
「第三紀層の魚」の2編が収録されていて、
わずか、1000円。
彼の文章では、
「・・・・」という話言葉の最後に、
「。」がついているのが特徴です。
慣れないと、けっこう邪魔臭かったりします。
また、新聞広告には、
彼の顔写真が大きく載せられていますが、
なんか目が座っているみたいで、
やはりフツーの男ではなにさそうです。
つい、期待しちゃうし、応援したくなります。
爆笑。
Posted by kimpitt at
17:16
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2012年01月25日
仮面の裏にあるものは なに?

やたらに親しくなったり、
愛しあったりはしたくない・・・・・
という顔をしていても
ほんとうは
その逆なんだよ

Posted by kimpitt at
21:28
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2012年01月25日
地上においては 痴情でもつれる人たちがいる

地上のもつれ?
痴情のもつれ?!
そんなの、どこにても、ありふれているのに・・・
と思ったけれど、
それが「同性愛の・・・」となると、
なにがあったんだ?と、
怖いもの見たさ?で、読みたくなりました。
某週刊誌の記事です。
さて、昨年の12月に都内江東区で起きた、
放火殺人事件といわれても、
そんな事件はありふれていて、
ピンと来ないというか、
記憶にはありません。
このほど警視庁では、
名古屋在住の46歳男と、42歳女を、
放火・殺人容疑で逮捕したそうです。
それが、
江東区で起きたものと、もうひとつ、
山形でも、似たような事件か起きていて、
江東区のほうは、
46歳男がつきあっていたHチャンの母親。
山形のほうは、
同じく46歳男が、一時期、
半同棲していたTチャンの両親。
どちらも、
46歳男との関係がこじれての、
親に対するやつ当たりみたいなものらしいのです。
つまり、その46歳男は、
20数年のキャリアをもつゲイなのですが、
そうなると、
46歳男といっしょに逮捕された42歳女ハは、
なんなのだ?になるのですが、
彼女は、俗に「おこげ」といわれるヒトだと。
「おこげ」というのは、
「おかま」の底に張りついてできるものなんで、
ゲイ好きの女性のことをさすのだそうです。
そして、その46歳男は、
42歳女と暮らしているとき、
赤いベンツと20万円もするピンクの自転車に乗り、
趣味はテニス、海外旅行も年に何回も・・・。
やーーーーー、
人間は多様だといわれるけれど、
これもまた、
劇場社会の一端、
いえ、激情社会の一端なんでしょうね。
この事件、その週刊誌が発売されたのち、
日本経済新聞か、社会面でコラム風に報道していますが、
46歳男のセクシュアリティには、触れていません。
広域にまたがる不思議な放火殺人事件・・・
という視点です。
Posted by kimpitt at
19:35
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2012年01月24日
尻を裸にして 雑念にふける男

トイレに入っているとき、
する行為は、
原則的には、糞尿の排出である。
もちろん、それ以外のことをする人もいるらしいけれど、
ここでは、そのことには触れない。
さて、ぼくが、
排糞時に、ときどき不思議に思うのは、
トイレットペーパーのことだ。
トイレットペーパーには、
なぜ一重のものと、二重のものがあるのか。
ちなみにぼくは、二重のものを使っている。
つぎに、トイレットペーパーの長さのこと。
二重(2枚重)ものは、
たしか「27・5」とか書いてあったような気がするが、
あれが、しっかりと表示通りの長さだけ巻いてあるだろうか。
というのは、最近の企業では、
けっこう不祥事も多発しているし、
社員の技能やモラルも低下しているから、
簡単には信用できない。
そして、ウオッシュレットに腰掛けるたびに、
ある外科医から聞いたことを、思い出す。
彼いわく、
「ウォシュレツトを使用していれば、
たいていの痔は、半年くらいで治ってしまいます」
専門の医師が言うことだから、
そこらのオバサンの噂話とはワケが違い、
それは、かなり信用できる発言なのだろうが、
なぜ、治ってしまうのか。
紙で拭くのと、水洗いするのでは、
なにが違うのか。
肛○周辺に付着している雑菌が、
水洗されれば、きれいにとれてしまうのか。
ぼくは、中学生の時、
1回だけ痔になったことがある。
たぶんイボ痔だったと思うが、
医者へ行ったら、すぐに治ってしまった。
そのころぼくは、
男子バレー部のヒーロー?で、
ジャンプの練習ばかりしていたから、
それで痔が出てきたのかもしれない。
それ以降、お尻は、しごく健康で、
なにもトラブルはないし、
排便以外のに目的て、そこを使用することもない。
ただし、尻を褒められたことは、
数回ある。
といっても、裸の尻を他人に見せたわけではなく、
それは、着衣の後姿についての評価だった。
わはははは。
Posted by kimpitt at
16:32
│Comments(0)