2014年06月02日

不倫は 人間らしさの証なのか  8月の家族たち





    メリル・ストリープとジュリア・ロバーツが、
    初競演で母と娘になり、激突する・・・・・
    と聞いただけで、
    十分話題性があり、食欲をそそられるけれど、
    見てみたら、
    予想はドンピシャリ!

    
    じつに見応えがあり、
    考えさせられる作品だった。

    
    プロデューサーは、あのジョージ・クルーニー。
    この人、
    出演している作品にはくだらないものが多いけれど、
    制作作品は、けっこう素晴らしいなあ。

    
    それにしても、
    かつての美女2人の、
    見るも無残なオバサン/オバーサン姿には、
    絶句するしかない。

    
    劇中でも、彼女たちは、
    「女は、年齢を重ねれば、ただ醜くなるのみ」
    と、豪語しているけれど、
    同じセリフを他人から聞かされると深く傷つくが、
    自分で言うぶんには、なにも傷つくことはない。

    
    そうですよね???

    
    そして、しかも、
    その「醜くなりかた」の落差が、
    美女ほど酷いというこであれば、
    美女でない女たちは、
    なんと癒され、心が休まることだろう。

    
    これは、祝福以外のなにものでもなさそうだ。

    
    
    さて、ドラマの舞台は、オクラホマ。
    8月のクソ暑い真夏日に、
    父親が失踪してしまったという知らせで、
    3人の姉妹が、実家にやってくるところから始まる。

    
    固くて生真面目、どうかすると暴走しやすい長女バーバラ、
    (ジュリア・ロバーツ)
    ひとり地元に残り、秘密の恋をしている次女アイビー、
    (ジュリアン・ニコルソン)
    自由奔放でしゃべり出したら止まらない3女カレン。
    (ジュリエット・ルイス)
    
    それを迎えるのが、
    薬物中毒気味の毒舌家で気が強い母親バイオレット。
    (メリル・ストリープ)

    
    
    やがて湖で父親の遺体が発見され、
    死因は事故ではなく、自殺らしいことがわかってくる。

    
    しかし、これまでは序の口。
    葬儀の後の会食から、
    家族の本音と実態が、つぎつぎに暴かれていく。

    
    
    最初は、
    高齢女性の常軌を逸した行動から、
    高齢化と介護問題が軸になっているのかと思いきや、
    父親をはじめとする何人かの不倫が、
    つぎつぎと明るみになり、
    追悼気分など吹っ飛んでしまい、
    会食は、あられもない争いの場と化していくのだった。

    
    
    このまえ見たフランス映画、
    アスガー・ファルハディの秀作「ある過去の行方」もそうだったが、
    まるで人間は、
    映画化のための素材を提供するかのように、
    アイツもコイツも、不倫を繰り返していく。

    
    そうかよ、そうかよ。
    不倫は、人間の生きてる証なのか。

    
    文部省推薦みたいな生きかたをしている自分は、
    はたして人間らしい人間と言えるのか?
    

    アホらしくなってきた。
    まったく、もう。
    


    
    



Posted by kimpitt at 22:24│Comments(0)
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