2012年04月30日
2012年04月29日
「テルマエ・ロマエ」には 不思議な謎がある

笑うカドには福が来る・・・
とは、とても思えない。
お笑い芸人が幸福に暮らし、
幸福に死んでいったという話も、
めったに聴いたことはない。
「テルマエ・ルマエ」を見て笑うときにも、
そのくらいの認識・教養は不可欠だろう。
映画の存在そのものがユーモラスで、
たしかに笑ったけれど、
見終わって、
ひとつ疑問が残った。
この風呂好き人間を描いた「テルマエ・ロマエ」には、
なぜ、
男性の入浴シーンしか、出てこないのか。
公衆浴場が好きなのは、
男だけなのか。
そして、ぼくなりに、
その「なぜ」を考えてみると・・・・・・
原作者が、ヤマザキマリという女性であることから、
彼女の個人的好奇心が、異性の裸体に向けられた・・・
のではないかという、ゲスな勘繰りが可能である。
しかし、
コミックはともかく、映画化するとなると、
女性の入浴シーンのあるほうが、
興行的にはベターだろう。
シリーズ累計で500万部も出ている原作は、
もはや180度変更はできないけれど、
女性の入浴シーンを加えることは、
不可能ではない。
ただ、そうするとなると、
現実的な問題にぶち当たる。
つまり、
上半身のみとはいえ、裸になる外人女性のエキストラを、
どうやって集めるか。
それとともに、
撮影時の配慮としては、
そのエキストラの裸体を、
どこまで露出させるか。
首まで湯に浸からせればいいが、
それでは、
男性の入浴シーンと対比して、
あまりに不自然ではないか。
そして、もしかりに、
腰から下は湯の中にした場合、
乳房をどうするか。
日本人なら手拭いで覆えばいいけれど、
古代ローマ人の女性に、そういうマナーがあったかどうか。
・・・のように、
事情はいろいろ憶測可能ではあるけれど、
オジサンの裸体しか登場しない入浴シーンというのもまた、
きわめて不自然で、なおかつ非魅力的ではある。
つんつん。
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17:29
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2012年04月28日
笑えました 笑えました 「テルマエ ロマエ」

上映初日・・・。
シネコンでチケットを買おうとしたら、
もう、かなり席が埋まっていました。
ゴールテンウィークの初日朝、9時50分からの回です。
それでも、後ろのほうに左右が空いた席があったので、
それを指定して、いざ、入館したら・・・。
入り口を2歩入ったところで、
「Kさーん」と、声をかけられました。
3月初めまでロンドンにいたAくん。
2年間の海外勤務を終えて、帰国していたのです。
彼いわく、
「こんな映画も見るんですか?」
顔が笑っている。
たしかに!(笑い)。こんな映画とは、
ファンタジック・コメディの大作、
「テルマエ・ロマエ」です。
人気コミックが原作、
そして、コメディ。
いずれの切り口でも、
ぼくが、「積極的に見ない条件」を完備した作品です。
ここでの「積極的に見ない」というのは、
「積極的には見ない」という意味ではなく、
「見ないという行為に対して積極的である」
ということ。
それを知っているAくんは、
だから笑ってしまったのでしょう。
イヤー・・・・・たしかにボクは、
ディープな作品、
暗い作品、
重い作品、
超マイナーな作品、
病的な作品を好んで見る人なんだけれど、
例によって、
月1回のラジオの映画紹介番組があるので、
それ用の作品を選定するときには、
ディレクターのSさんの意見も打診しつつ、
ます最初に考えるのは、リスナーさんたちのことです。
そしてつぎには、
取り上げる作品に変化をつけてワンパターンにしないこと。
そしてつぎに、
あまり話題にならない日陰の名作にも光を当てること。
もちろん、選考の対象となるのは、
放送日の直前に封切られた作品であること。
これが、大前提です。
さて、5月上旬の話題をさらっているのは、
あきらかに、「わが母の記」でしたから、
それには乗らないようにしたいという下心もありました。
それと、2月下旬に心臓発作で、
生死の境を彷徨う2週間入院を体験したということもあって、
泣ける話より笑える話がいい・・・という
生理的事情もあったのです、たぶん。
で、予想どおり、
クスクスガハハの連続でした。
とにかく、阿部 寛・上戸 色・市村正親、
その他もろもろの俳優さんたちが、
競う天外・・・ではなくて奇想天外な話を、
大マジメに演じているだけで、
十分におかしかったし、
これはというシーンに、
イタリアオペラの名曲が流れてしまうのも、
笑えました、笑えました。
プッチーニの「蝶々夫人」から、「ある晴れた日に」。
「トスカ」から、「星は光りぬ」。
そして、
「トゥーランドット」から、「誰も寝てはならぬ」。
いずれも、
イタリアオペラを代表する名曲で、
さらには、
ヴェルディの「アイーダ」や「リゴレット」などからも、
いろいろな曲が。
これらのオペラは、内容的にも、
ローマ時代とか現代と直接無縁なものなのですが、
映画では、なんかピッタシカンカンに決まっていて、
いずれも悲劇的な歌なのに、
逆に笑えてしまうのが、じつにオカシクて。
はい。
今年は4月まで、ずっと寒かったのですが、
ここへ来て、ようやく初夏らしい気温。
ゆっくり風呂に浸かって、のびのびしたいですねー。
テルマエ・シズオカ!!!
大井川上流・川根本町の温泉も、いいですよ。
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19:49
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2012年04月27日
ファスビンダー まさに 狂乱の場

4月18日にネットでロンドンへオーダーしたDVDが、
25日に、もう静岡へ届いた。
いつもより、ちょっと早い気がする。
ファスビンダーの「ベルリン・アレキサンダー広場」。
全15時間(DVD 5枚)に、
特典映像が1枚で、計6枚。
送料込みで、35・24£(英語字幕)。
円に換算して、5000円を切るはず。
めちゃ安である。
日本にも、日本語字幕入りのものがあるのだが、
DVD化されてはいない。
それでは、全14話のあらすじを、
以下に。
ただし、このあらすじを読んだだけでは、
この作品の凄さは、とても理解できないだろう。
第1話[プロローグ]
処罰が始まる(82分)
フランツは、恋人イーダ殺害の罪でテーゲル刑務所に服役していた。
そして出所した彼は、大都市ベルリンの中で行き場を失う。
第2話
死にたくなければどう生きるべきか(59分)
生活のためにフランツは、ネクタイ留めやポルノ雑誌の街頭販売を始
めるがうまくいかない。深い考えもなくナチスの党新聞販売に手を染
める。
第3話
脳天の一撃は心も傷つける(59分)
訪問販売を始めたフランツ。とある玄関先に立った彼を見て、住人の
女性は動揺した。フランツは彼女の死んだ夫にそっくりだった。
第4話
静寂の奥底にいる一握りの人間たち(59分)
フランツは友人の家に間借り生活をし、日々酒に溺れている。フラン
ツは自身の窮状を聖書のヨブになぞらえる。
第5話
神の力を持った刈り手(59分)
フランツはイカサマ商売の元締めプムスと知り合うが、仲間に加わる
事は拒む。だがその一味のラインホルトに出会い、うち解けるように
なる。
第6話
愛、それはいつも高くつく(58分)
フランツは、ラインホルトの女グセの悪さを直そうとするが、彼は聞
き入れない。彼の口車にのってフランツはある仕事に出かける。
第7話
覚えておけ―誓いは切断可能(58分)
元恋人エバの家に厄介になっているフランツ。体も衰弱し再び酒浸り
になり、ある酒場でエミーという女に出会う。
第8話
太陽は肌を暖めるが、ときに火傷を負わす(58分)
自宅に戻ったフランツは、まっとうに生きるという誓いを捨て、シニ
カルな人間になっていた。ある日ヤクザな若者ビリーが訪ねてくる。
第9話
多数者と少数者の間の永遠の隔たり(58分)
フランツは、恋人ミーツェに養われるヒモの生活を始める。彼は久し
ぶりにラインホルトを訪ねる。
第10話
孤独は壁にも狂気の裂け目を入れる(59分)
不妊のミーツェのため、エバがフランツと子供を作るという密約が結
ばれる。フランツは仕事もせずいよいよ酒に溺れていく。
第11話
知は力 早起きは三文の得(59分)
フランツはラインホルトを訪ね、また一緒に仕事を始める。ラインホ
ルトに自分とミーツェの仲を見せつけようとするのだが・・・。
第12話
蛇の心の中にいる蛇(59分)
ラインホルトはミーツェをある森に連れ出す。その森は以前、フラン
ツとミーツェが仲直りした場所だった。
第13話
外面と内面、そして秘密に対する不安の秘密
ミーツェが戻らないことに、フランツとエバは不安を抱く。ある日イ
カサマ商売をしていたフランツは、仲間のヘマで失敗してしまう。
第14話[エピローグ]
子供の死 そして有益な男の誕生
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー:フランツ・ビーバーコップ
の夢についての私の夢(111分)
このエピローグが示すのは、二人の破滅した男の関係をめぐるグロテ
スクなイメージのパノラマ。
まさに、ファスビンダー狂乱の場である。

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21:01
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2012年04月26日
2012年04月25日
心臓発作で 笑いが止まらない

EPISODE 9 ■ 禁煙と減塩
ぼくの心臓発作事件は、
あまり苦痛を伴わなかったため、
いのちに関わる大事件だった・・・
という認識が欠落していて、
「この期に及んでも、あいかわらずノーテンキ」
という風評被害が、蔓延している。
しかし、
その後の生活には、
大きな変化があった。
まずは、禁煙。
とにかく喫煙は血管を脆くするとかで、厳禁命令!
だから、倒れたその日以降、
タバコは1本も吸っていない。
で不思議なことに、
この禁煙が、まったく苦痛になっていないのだ。
いや、苦痛にならないどころから、
むしろ、快楽になっている。
というのは、
喫煙のために、ぼくは、
「月平均 1万円」の支出を余儀なくされていたのだが、
それがなくなって、つまり、
可処分所得が、1万円増える結果になった。
これを思うと、
ついつい顔に微笑みが浮かんでしまう。
それから・・・。
禁煙した先輩たちの話によると、
食欲が増進して、
口にするものすべてがおいしく感じられ、
その結果として、肥満街道まっしぐらの日々になる。
ところが、ぼくの場合には、
巧みに、これを避けることができた。
なぜかというと、
心臓発作、つまり血管の詰まりを防ぐために、
厳しい食事管理を義務づけられているからだ。
具体的には、
「減塩」
「減カロリー」。
塩分は、「一日 6グラム以内」
カロリーは、「一日 1800以内」
ちなみに、日常の食品が、
どの程度の塩分を含んでいるかというと、
「醤油ラーメン 5-6グラム」
「カツ重 4-5グラム」
もうこれだけで、
一日の許容量に達してしまう。
また、
たとえば、食パンや胡椒にも塩分が含まれているし、
トマトジュースですら、その例外ではない。
ということから、
「醤油ラーメンを食べなくても、
普通の食事をするだけで、
いともたやすく6グラムは突破してしまう」
だから、
たとえば血圧の高い人などには、
「サシミは、醤油をつけずに食べる」
という人もいて、ぴっくり仰天した。
もともとぼくは、サシミが好きではないのだけれど、
そのサシミを、素のまま食べるとは!
まるで、犬か猫みたいな食生活ではないか!
(ぼくは、牛肉が大好物だけれど、
生肉をなにもつけずには食べることなど、
逆立ちしてもできない)
そういうことで、
塩抜きの食事の、なんと味気ないこと!
もう食が、まったく進まなくて、
必然的に、華麗なるダイエット生活になってしまった。
禁煙のコツは、減塩に限る!
減塩を厳しく守ろうとすれば、
食欲などなくなってしまうのです。
ヤッホー!
小遣いが1万円増えて、
体重が、1か月で4キロ、スリムになった。
もう、笑いが止まりません。
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19:37
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2012年04月24日
2012年04月23日
ファスビンダー 「ベルリン・アレキサンダー広場」

ドイツの鬼才・変態映画監督といえば、
もう、この人の右に出るものはいない。
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー!
彼の作品で知名度のあるものといえば、
「マリア・ブラウンの結婚」
「ペトラ・フォン・カントの苦い涙」
「ケレル」
「リリー・マルレーヌ」
などをあげることができるが、
ぼく的には、
「シナのルーレット」が、ベストだ。
しかし、
大長編「ベルリン アレキサンダー広場」を抜きにして、
ファスビンダーを語るのは、ナンセンスだろう。
ぼくは、
「ベルリン アレキサンダー広場」を、
お茶の水のアテネ・フランセ文化センターで見た・・・
と記憶している。
そして後日、
CSの「シネフィル・イマジカ」が放映したため、
それを録画した。
たしか、120分のVHSテープで、
10本超すものになったような気がする。
その巨大長編作品のDVDを、
ついにロンドンヘオーダーした。
なぜ、このように偉大な決心ができたかというと、
54・99ユーロの6枚組が、
「29・99ユーロ」にディスカウントされテイたから。
送料を含めても、わずか「4700円」程度。
6枚組ですよ、6枚組!
1枚あたり、800円を切ります。
で、このさい、正直に告白すると、
じつは、この「ベルリン アレキサンダー広場」の英国版が、
アメリカでは、
「8567円」で売られているのです。
で、日本では、
劇場公開もされていないし、
ヒデオも、DVDも未発売。
そうなったら、
体を売ってでも買うというのが、
シネフィルの忠節というものでしょう。
■「ベルリン アレキサンダー広場」紹介
第1話 プロローグ
第2話 処罰が始まる
第3話 死にたくなければどう生きるべきか
第4話 脳天の一撃は心も傷つける
第5話 静寂の奥底にいる一握りの人間たち
第6話 神の力を持った刈り手
第7話 愛、それはいつも高くつく
第8話 覚えておけ――誓いは切断可能
第9話 太陽は肌を暖めるが、ときに火傷を負わす
第10話 多数者と少数者の間の永遠の隔たり
第11話 孤独は壁にも狂気の裂け目を入れる
第12話 知は力早起きは三文の得
第13話 蛇の心の中にいる蛇
第14話 外面と内面、そして秘密に対する不安の秘密
[エピローグ]子供の死人 有益な男の誕生
1920年代末ドイツのベルリン。
二つの世界戦争に挟まれた不穏な時代。
第一次大戦敗戦の痛手で社会は不安定を極め、
失業者は日々増加し、
犯罪が横行していた。
またナチスと共産主義者の対立も激しさを増していた。
その半面ベルリンは、
ヨーロッパ有数の大都市であり爛熟した文化が花開いた。
そんな激動の時代を、
一人の“普通”の男、フランツ・ビーバーコップが辿る
受難に満ちた物語。
なお、ファスビンダーは、
37歳で他界している。
しかし彼に、夭折というイメージはない。
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15:18
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2012年04月22日
2012年04月21日
EPISODE 8 ■ 踏み込まれた現場

EPISODE 8 ■ 赤裸々な告白
静岡私立静岡病院東館760号病室。
そこでの、ぼくのベッドの隣人は、
Oさんだった。
ふたりは、ロック好きという共通点があって、
やたらにしゃべるようになった。
どういう話の流れでそうなったのか、
まったく記憶はないのだけれど、
話題はセ〇クスのことになって。
Oさんいわく、
「女は、すごく敏感というか、勘が鋭いよね」
「よく、そう言われるけど、経験はない」
「俺、あるんだよ」
「そうなんだ・・・なにか思いあたることがある?」
問い詰めたりする気はサラサラなかったんだけれど、
Oさんの告白が始まった。
ある日彼は、家にいた。
彼女は、いつものように仕事があって、
職場へ出かけていた。
昼過ぎに彼は、
女を呼んでいて、一戦やるつもりでいた。
やがて女がやってきて、
二人が下半〇を露出したとき、
家の前で、バイクの急ブレーキの音。
バイクが止まったかと思うまもなく、
階段を駆け上がってくる足音。
彼の彼女が、仕事を抜け出して、
突然、家へ戻ってきた。
早い話、
夫の不〇の現場へ足を踏み込んだことになる。
ただし、二人が正式の夫婦なのか事実婚なのかは、
確認しなかった。
裸になっていたのは、
知っている女だった。
半狂乱になった急襲女は、
わめきチラシながら失〇。
そこで不〇女は、
「これから3人で遊ぼうよ」
Oさんいわく、
「俺が不〇するのを、
彼女は察知していたんだ。すごいよ」
ぼくは、
うわべは冷静に聴いていたけれど、
まさかそんな話になるとは夢想だにせず、
内心では、あわてまくっていた。
それにしても、
まるで相撲か野球の話でもするみたいに、
さらりと体験を語ってしまう彼に、
しんそこ驚いた。
そのとき〇禁してしまった彼女は、
昨日も一昨日も、
仕事が終わると、
甲斐甲斐しく見舞いにやってくるのだ。
ふーむ。
Posted by kimpitt at
17:36
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