2012年01月27日
死刑と 懲役100年では どちらが残酷か
そのとき、彼は、
18歳1か月だった。
そのとき、もうひとりの彼は、
23歳だった。
そして、18歳の彼は、
23歳の彼の留守宅へ侵入し、
23歳の彼の「妻と生後11か月の子ども」を殺害し、
妻のほうに性的暴力をはたらいた。
これは、知る人ぞ知る、
山口県光市で起きた母子殺害事件である。
これに対して、山口地方裁判所は、
検察側の死刑求刑に対して、
無期懲役という判決を出した。
そのあと、検察側は上告したが、
広島高等裁判所は、起訴を棄却。
そして最高裁は、二審を破棄し、差し戻し。
差し戻し控訴審で、広島高裁は、
死刑判決。
その上告審の最高裁判決が、まもなく出る。
最高裁が、二審を破棄したケースは、
これまでに、この光市の事件を含めて3件あり、
そのうちの2件は、いずれも、
死刑が確定している。
被告は、犯行当時、18歳と1か月、
いまは、30歳。
原告の木村洋さんは、当時、23歳で、
いまは35歳。
彼は、こ12年間、
公判に通い続け、
本も出している。
彼は、当然、
死刑判決を求めているのだろう。
ぼくは、軟弱な死刑廃止論者だが、
この事件に関しては、
木村洋さんの「執念・闘う精神力」に共感してしまう。
国の事業仕訳をパロルなら、
なぜ、死刑なのか。
なぜ、無期懲役では納得しないのか。
もしかしたら、それは、
怨念と復讐心によるものではないのか。
しかし、怨念と復讐心は、
必ず苦い後悔をもたらす・・・
とも言われているのだが。
海外には、
無期懲役ではなく、
「懲役100年」という判決を出す国もある。
「死刑」と「懲役100年」・・・
どちらが、より残酷な復讐になるだろうか。
死刑是非論で、ぼくは、
いつも揺れている。
震度は、5くらいだけれど。
Posted by kimpitt at 17:06│Comments(0)