2014年04月22日

ショーン・ペンは 夢見る統合失調症か  「きっとここが帰る場所」



 
    「きっとここが帰る場所」・・・・・
    This Must Be the Place

    
    この映画は、
    2011年のイタリア・フランス・アイルランド合作。

    
    2008年の第61回カンヌ国際映画祭で、
    「イル・ディーヴォ 魔王と呼ばれた男」が審査員賞を受賞し、
    それを監督したパオロ・ソレンティーノが、
    同映画祭の審査委員長を務めた俳優ショーン・ペンと意気投合して、
    のちに制作されたたのが、この「きっとここが帰る場所」である。
    

    じつにじつに不思議な映画なのだが、
    こういう物語。

    
    
    かつての人気ロックスターであるシャイアンは、
    アイルランドのダブリンにある豪邸で、
    妻と半隠遁生活を送っている。
    今でも現役当時の派手な女装メイクとファッションをしている
が、
    付き合いがあるのは、
    近所のロック少女メアリーなどごくわずかである。

    
    さて、ある日のこと。
    故郷のアメリカから、
    30年以上も会っていない父親が危篤だ・・・
    との連絡が来る。

    
    飛行機が苦手なシャイアンは船で向かったため、
    結局、臨終には間に合わなかった。
    

    葬儀の後、
    ホロコーストを生き延びた父が、
    自分を辱めたナチスのSS隊員アロイス・ランゲを、
    執拗に探し続けていたことを知ったシャイアンは、
    父に代わってランゲを探す旅に出る。

    
    ランゲの妻ドロシーや孫娘のレイチェル、
    その息子のトミーなどに目的を隠して会い、
    ようやく見つけた隠れ家は、
    すでにもぬけの殻になっていた。

    
    そこに、
    ナチスの残党狩りのプロであるミドラーが現れる。
    じつはシャイアンが渡していた資料をもとに、
    ミドラーは既にランゲの行方を突き止めていたのだ。
    

    ミドラーに案内されたランゲの隠れ家で、
    シャイアンは、
    ランゲから当時どのような辱めを、
    父にしたのかを聞かされる。

    
    それは、
    けしかけた犬に脅えて、
    小便を漏らしたのを笑うというものであった。

    
    シャイアンは父の「復讐」として、
    ランゲを全裸にして雪景色の屋外に放り出す。
    

    旅を通じて父親へのわだかまりを解いたシャイアンは、
    飛行機に乗り帰国。
    派手なメイクとファッションをやめ、
    素のままの「大人」の姿で、
    ダブリンの街に帰って来た。

    
    
    ・・・・・・・?
    こう紹介すると、
    なにかとても不思議なドラマのような印象になるが、
    事実、
    美しい悪夢のような画面が連続し、
    あたかも狐につつままれたかのように、
    奇妙にドラマが展開されていく。
    

    じつは・・・・もしも、
    パオロ・ソレンティーノも、
    ショーン・ペンも、
    統合失調症だと知れば、
    すべてが納得できてしまいそうな、
    そんなお話。

    
    
    とにかく一見の価値はあります。
    不思議大好き、正常良い子キムでした。
    
    

    映画を見終わって、
    どこかに帰る場所があるということは、
    たとえそれが、どこであるにせよ、
    とても素晴らしいことを、
    実感しました。



    
    
    
    




Posted by kimpitt at 21:29│Comments(0)
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ショーン・ペンは 夢見る統合失調症か  「きっとここが帰る場所」
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