2012年04月14日
EPISODE 4 ■ 心筋梗塞の死亡率

EPISODE 4■ 高い死亡率
止血が、なにごともなく済んだ翌日、
ぼくは、
ICU内にある個室に引っ越した。
ICUというのは、
いわば、重症患者の大部屋のようなもので、
それぞれのベッドと患者を、
一望・監視できるようになっていた。
そして、その部屋の壁側に、
いくつかの個室があり、
そこは、監視する視線からは外れていた。
ぼくはそこで、初めて、
ベッドから床に降りることを許された。
しかし、
体には、スマホのような監視端末が付着していて、
動けるのは、あくまでも室内だけ。
あ、忘れてた。
酸素吸入も、ずっとやっていた。
手術直後は、酸素不足で、
歯磨きすることにも耐えられない心臓があるという。
それでも、
5日間近く、寝返りもうてない状態だったから、
ある種の解放感はあった。
ちなみに、手術後の4日間、
毎日、熱いタオルで全身を拭いてくれた。
ただし、性器を含む股間は除いて、である。
食事も、食べさせてもらうのではなく、
自分でできるようになった。
それはいいのだけれど、
肝心の食事そのものが、
動脈硬化予防食のため、
塩分・糖分・カロリーを制限したもので、
「味もそっけもない」を絵に描いたような、
まったく食欲のわかないものだった。
そのせいか、
体重は、4日間で4キロ減少。
心臓発作発症以降で明るいニュースは、
これだけである。
もちろん、最大の朗報は、
「死ななかった」ことなのだが、
それは、後になって知っただけで、
その時点では、
心筋梗塞が「非常に死亡率の高い病気」であることなど、
まったく知らなかった。
Posted by kimpitt at
20:42
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