2014年04月21日
フランス人不在の フランス製やくざ映画 「預言者」

2014年の夕張でグランプリをとった「さまよう小指」を見て、
そのド下手な表現技術と、
あきれるようなセンスの悪さに、
監督ではなく、
審査委員長の根岸なんとかを殺してやりたくなったボクは、
お口直しを必要としていた。
だってさあ、
やっぱり映画の未来に、なにがしかの希望をもちたいもん。
そこで選んだのが、
初見参! ジャック・オーディアール監督の「予言者」!
カンヌ国際映画祭で、
審査員特別グランプリを受賞していたので、
つい期待してしまったのが、
悲しくもスケベな罪と罰ではありました。
チンピラだったアラブ系の青年が、
あれこれ苦労して立派なヤクザ者に成長していくお話。
フランスのセザール賞でも、
作品賞・監督賞をとっいるけれど、
それとともに、
アラブ系の青年を演じたタハール・ラヒムが、
主演男優賞をとっていて、
野性味のあるイケメンを、
じつに魅力的に演じていた。
そういえば、この映画、
フランスとスペインの資本で作られているのに、
登場するのは、
アラブ系とイタリア・マフィア系ばかり。
たとえば、
韓国人と中国人しか出てこない映画を、
日本で作れると思いますか?
ただ、フランス人のヤクザでは、
青白いフニャチンばかりになって、
魅力全減必至だろうなあ。
とにかく語りはうまいし、
話も起伏に飛んでいて退屈はしないのだけれど、
見方によっては、ヤクザ礼賛にもなりかねない。
ただ、日本の配給会社は、
「スプリングハズカム」というところ。
しゃれた会社名だ。
フランス語にすると、
「プランタンエタリベ」かな?
いちおう、ストーリーだけ記録しておきましょう。
19歳のアラブ系青年マリク(タハール・ラヒム)は、
6年の刑を宣告され、中央刑務所に送られて来る。
そこは人種間の対立が激しく、
互いに牽制し合いながらも、
最大勢力であるコルシカ・マフィアのグループが、
実質的に支配している世界だった。
身寄りのないマリクは、
コルシカ系グループを仕切るセザールに目をつけられ、
彼らのグループの人間を売ったアラブ系の男レイェブを
殺すように脅迫される。
逡巡しながらもマリクは、
刑務所内で生き延びるために初めての殺人を犯す。
これをきっかけにセザールの子分となり、
読み書きとともに生き残るための術を学んで行く。
そして、マリクはレイェブの幻と暮らすようになり、
レイェブが語る予言めいた言葉を聞くことになる。
(以下省略)
Posted by kimpitt at
15:30
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