2014年04月13日
「マンク」ではなくて 「マン☆」のほうが似合う映画がある

フランス/スペインの合作映画、
「マンク 破戒僧」を、
録画DVDで、見た。
その内容からしても、
「マンク」の「ク」は、
マジめな話、
「コ」のほうが相応しいのではないかと、思った。
2011年、フランス・スペインの合作、
上映時間は、101分。
監督は、ドミニク・モル。
配給は、アルシネテラン。
発表当時、激しい非難を浴びながらも、
サド、ホフマン、ブルトンらの賛辞によって、
一世を風靡した異才マチュー・G・ルイスによる
18世紀のゴシック小説「マンク」の映画化。
これが、日本では、
国書刊行会から発刊されている・・・
ときけば、
「ああ、ああ、ああ。なるほど」
の線上に位置づけられる作品であろう。
悪魔の誘惑に身をゆだねた破戒僧の、
禁欲と情欲の相克がもたらした戦慄の運命を描いたもの。
17世紀スペイン・マドリッド。赤子の時にカプチン派の修道院の門前
に捨てられ、僧に育てられたアンブロシオ(ヴァンサン・カッセル)
は、その熱心さから町中の人が彼の雄弁な説教を聞きにやって来るほ
どの僧に成長していた。
すべての欲を絶ち、規律を重んじるアンブロシオであったが、出生の
謎とたまに彼を襲う頭痛に悩まされていた。ある日、傷ついた顔を覆
うために仮面をかぶっているという、ミステリアスな見習い修道士バ
レリオ(デボラ・フランソワ)がやってくる。
彼は、アンブロシオの頭痛を和らげる不思議な力をもっていた。しか
しじつは、バレリオは彼に近づくために女性であることを隠している
偽りの修道士だったのだ。
やがてアンブロシオは、バレリオとの肉欲に溺れ、強姦、窃盗、殺人
とあらゆる悪徳に身を沈めていくのだった……。
あはははは。
ヨーロッパの人たちって、こういう話が好きなんだよね。
と言うのは、偏見であって、正しくは、
「人間さんって、こういう話が好きなんだよね」
だから、君も、
みずからが人知れず隠しもつ性癖を、
なんら恥ることはありません。
杉本苑子の小説「華の碑文 世阿弥元清」には、
美少年だった元清が、
奈良の僧院に稚児として仕え、
僧兵の色欲の犠牲になり、
精も根も尽き果てて帰宅してくるというエピソードが、
登場する。
ようするに、こうした世界では、
男も女もないのかもしれない。
それにしても。
「マンク 破戒僧」の原作者は、男性。
世阿弥の秘められた性体験を描いたのは、女性。
男は、男の異性愛については能弁だが、
同性愛については、なぜか寡黙である。
Posted by kimpitt at
20:19
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