2012年10月29日
蛮勇引力 「気狂いピエロの決闘」
〇乱狂気・八転九倒・天然〇茎・晴天辟易
永久夢〇・変人未踏・蛮勇引力・近畿雀躍・天敵〇茎
・・・ほほほほほ、ふふふふふ。
もう、なんでもかまへん、
お好きにやってくんさいな、もし。
檻に入れられた猿が暴れまわる中、
外では人と人とが殺し合う狂気のサーカスが繰り広げられていた。
スペイン内戦。
無理やり共和国側に参加させられた“がらくたピエロ”は、
ナタを振り回し国民軍を次々と残虐に殺していった。
そしてピエロの衣装のまま・・・
長い月日が過ぎ、時はフランコ総統時代。
「がらくたのピエロ」の息子ハビエルは、
サーカス団で「泣き虫ピエロ」として働き始める。
そこでハビエルは、
個性的なキャラクターの風変わりな面々と出会う。
人間砲台男、
象の調教師、
ケンカ好きなドッグトレーナーなど。
そしてハビエルは、
「怒りのピエロ」ことセルジオと初めて出会うのだった。
顔が醜くゆがんだ2人のピエロ、ハビエルとセルジオは、
サーカス団で最も美しく残酷な美女ナタリアをめぐり、
怒りと絶望、渇望に煽られて、
命がけの戦いを始めるのだった。
スペイン・フランス合作映画(2010年)
「気狂いピエロの決闘」
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督作品
このタイトルだと、
さもゴダールと関係がありそうだという連想を誘発するけれど、
ご安心ください。
あの「気狂いピエロ」とは、似ても似つかない傑作。
原題は、「Balada Triste de Trompeta」
そして英題は、「The Last Circus」
監督のアレックス・デ・ラ・イグレシアは、
1965年スペイン、ビルバオ生まれ。
10歳で漫画を描き始め、デウスト大学で学ぶ。
アレックスいわく、
「学生時代のほとんどをバーと映画サークルで過ごした」。
彼が共同脚本兼監督を手掛けた短編映画『Mirindas asesinas』が、
数々の映画祭で賞を受賞してペドロ・アルモドバルの目にとまり、
初の長編映画は、
「ハイル・ミュタンテ!/電撃XX作戦」(1993年)。
2作目「ビースト 獣の日」(1995年)もゴヤ賞の6部門を受賞し、
興行成績では年間でトップランクを稼ぎ出す。
それ以降のフィルモグラフィは・・・
1997年「ペルディータ」
1999年「どつかれてアンダルシア」
2000年「みんなのしあわせ」
2002年「マカロニ・ウェスタン 800発の銃弾」
2004年「Crimen ferpecto」
2006年「スパニッシュ・ホラー・プロジェクト:ベビー・ルーム」
2008年「オックスフォード連続殺人」
2010年「気狂いピエロの決闘」
2011年「La chispa de la vida」
この「気狂いピエロの決闘」には、
彼のすべてが凝縮されているそうだが、
そのとんでもないパワーは、
観客は口をアングリさせたままにする。
ちなみに、ヴェネチア国際映画祭は、この作品に、
「銀獅子賞(監督賞)」と「オゼッラ脚本賞」を与えている。
Posted by kimpitt at 20:26│Comments(0)