2012年07月26日
寛容とはなにか ノルウェイ映画 「孤島の王」
2011年 7月、
ノルウェイで、テロ事件が起きた。
77人を殺害した被告に判決がくだされるのは、
8月 24日。
もっとも重い刑罰になるとして、
「禁錮21年」だ。
なぜなら、ノルウェイには、
死刑も終身刑もないからである。
その事件の折、
運よく殺害をまぬがれた10代の少女いわく・・・・
「ひとりの男が、これほどの憎しみを見せたのなら、
私たちは、どれほどに人を愛せるかを、示しましょう」
遺族からも、
死刑を求める声は、まったくなかったという。
ノルウェイ映画「孤島の王」は、
2010年に制作され、2012年に日本で公開された。
ノルウェイに実在した少年矯正施設、
通称「監獄島バストイ」で、
実際に起きた少年たちの反乱を描いたものである。
もちろん、前述したテロは、
この映画とは、まったく無関係に起きたものだが、
事件の描きかたは、
ある意味で、かなり中立的で、
寮長の性的虐待を含む犯罪の描きかたすら、
不思議な清冽さ?に満ちていた。
それは、
悪人をヒステリックに断罪したがる、
いまの日本の風潮の対極に位置するものかもしれない。
ソクーロフの「ファウスト」よりも、
心に残った。
Posted by kimpitt at 21:19│Comments(0)