2012年07月11日

コカンと セイキは  別物である 




 
    
    「古今和歌集」について語りたいのだけれど、
    ここが、それに相応しい場ではないことくらい、
    ぼくにだって、わかります。
    ぼくにだって、ヒトナミの常識はあり、
    場の空気を読む知恵も、備わっているつもりです。
    
   

 
    だ・か・ら、ここでは、
    「コキンワカシュウ」ではなく、
    「コカンワカシュウ」について語ることにします。
    

    まあね。
    「キ」と「カ」の違いなんぞ、
    長い人生にとっては、
    そんなに大事なことではないとは思います。

    
    しかし、漢字に変換すると、
    「コカンワカシュウ」は、
    「股間若衆」になるので、
    東北で起きた想定外事件ほどてはないとしても、
    かなり、想定外っぼいこと・・・ かもしれません。

    
    
    では、まず、
    「股間」とはなんなのか。
    その定義を確認しておきましょう。

    
    三省堂の国語辞典によると、股間とは、
    「またのあいだ、またぐら」。

    
    うーん。
    この説明は、あまり親切ではありません。

    
    そこで、「また(股)」をひいてみると、
    「一つのもとから、二つ以上に分かれているもの。
    胴から足が分かれ出るあたり、ひざから上の部分をさす。
    すぐ上に、陰部、会陰に接する。」

    
    なるほど。
    この定義によると、
    「股間」と「陰部」は、まったく別のもの、
    だということを確認できます。

    
    
    さて、それで。
    「股間若衆」に話を戻しますと、
    これは、このほど発刊された書籍の名称で、
    著者は、木下直之さんという東大教授。
    出したのは、新潮社。
    お値段は、1800円。

    
    ちなみに木下さんの専門領域は、
    文化資源学とのことです。

    
    
    で、この本の内容なのですが、
    男性の股間、つまり、
    「一つのもとから、二つ以上に分かれているもの。
    胴から足が分かれ出るあたり、ひざから上の部分」
    について書いたものではなく、ずばり、
    男性の股間ではなく、
    股間に付着、あふるいは隣接する〇器について、
    彫刻がどういう表現をしてきたかを、
    フィールドワークしたもので、
    「芸術新潮」に掲載されたものが、
    単行本となった・・・
    そういう代物なのです。

    
    
    なので、ぼくは、いささか違和感があります。
    なぜなら、著者は、
    股間ではなく、〇器の表現について研究したのに、
    なんで、「股間」という用語を用いたのか。

    
    もし、中身を正確に表す書名にするなら、
    「男性裸体彫刻にみる〇器表現の歴史」
    みたいなものになるはずなんですね。

    
    この著者も、出版社も、
    「股間」と「〇器」がまったく別物である、という、
    基本認識が欠けています。

    
    くどいようですが、
    股間は、陰部ではありません。
    これは、別の部位を例にしていえば、
    口と言いつつ、歯のことを話しているみたいなもの、
    だと思いませんか。
    

    
    
    
   




Posted by kimpitt at 15:42│Comments(0)
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