2012年05月10日

ソクーロフの最新作 「ファウスト」





    
    アレクサンドル・ソクーロフ監督の、
    「ファウスト」が、
    いよいよ6月に、日本でも公開される。
    (静岡は、7月)
    

    
    この作品は、
    第68回ヴェネチア国際映画祭で、
    グランプリ〈金獅子賞〉を受賞。
    審査員の満場一致によって・・・だという。

    
    じ、じつは、ソクーロフが、
    世界3大映画祭でグランプリを獲得したのは、
    これが初めてである。

    
    このごろ、
    とくにカンヌにおいた目立つのは、
    現実を追認するかのようなグランプリ贈呈だ。

    
    たとえば、ミヒャエル・ハネケ。
    彼は、「白いリボン」でグランプリを獲得したが、
    これは、ハネケの作品としては、むし凡庸で、
    それ以前の「ファニー・ゲーム」その他のほうが、
    はるかに先鋭的・衝撃的な問題作である。

    
    フランスのローラン・カンテも、
    「パリ ぼくたちのクラス」で受賞したけれど、
    「タイムアウト」「ヒューマン・リソース」などのほうが、
    はるかに先鋭的・衝撃的な問題作である。

    
    
    なぜ、こういうことが起きるのか。
    ひとつには、審査員が抱える保守性があるだろうし、
    もうひとつは、
    その年々の審査員が、
    個々の監督の過去の作品をきちんと見てきたうえで評価した
    という保証はない。

    
    
    たとえば、ソクーロフの場合、
    第68回ヴェネチア国際映画祭の審査員が、
    「セカンド・サークル」
    「ストーン」
    「日陽はしづかに発酵し」
    「精神の声」
    「ファーザー サン」
    「マザー サン」
    「ボヴァリー夫人」
    「モレク神」
    「太陽」
    「牡牛座」
    などを見たうえで、
    「ファウスト」を評価しただろうか。

    
    審査員にそこまで期待するのは、
    まずは物理的に、ほとんど不可能かもしれない。
    

    「ファウスト」については、
    配給会社のHPに、
    このような紹介文があった。
    ご参考までに。

    
    文豪ゲーテが生涯をかけて残した不朽の名作「ファウスト」。
    主人公ファウストにはドイツの人気俳優ヨハネス・ツァイラー、
    高利貸ミュラーをロシアのダンサーアントン・アダシンスキー。
    人間と悪魔の絶妙な駆け引きが、時に笑いを誘いながら、
    幻想的な世界へと引き込む。
    マルガレーテ役の新星イゾルダ・ディシャウクは、
    フェルメールの絵画を思わせる美しさで無垢な愛を演じ、
    世界中が絶賛。
    時と空間を自在に操る斬新な演出、
    豊かな色彩とファンタジックな映像は躍動感に溢れ、
    ラストシーンまで片時も目が離せない。
    “生きる”ことを見つめさせる壮大な人生ドラマの幕が今、
    開かれようとしている。

    
    
    フフフ、ふ。
    専門家の批評もあるので、
    それはまた、つぎの機会に紹介しよう。
    
    

    
    
   




Posted by kimpitt at 15:49│Comments(0)
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ソクーロフの最新作 「ファウスト」
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